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【5月23日 ifs未来研究所 4周年記念イベント】おしゃべり② 『みらいファッションラボ』

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未来研究「未来のここち」
おしゃべり② 「みらいファッションラボ」
北川 竜也氏(株式会社三越伊勢丹ホールディングス 情報戦略本部)
永井 美保子氏(株式会社資生堂 コーポレートコミュニケーション本部長)
林 信行氏(未来研外部研究員・ITジャーナリスト兼コンサルタント)

  
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林信行(以下、林): ITジャーナリスト兼コンサルタント、そしてifs未来研究所 外部研究員の林信行と申します。僕は、Appleが新しいiPhoneやMacなどの新製品を出す度に、アメリカの発表会に参加し、様々なメディアで紹介する仕事を25年近く行っています。
 
テクノロジー業界って、経済的には潤っているけれど、世の中をステキにしている感じがしないな…と思っていました。今から約5年前、あるトークイベントで川島さんと出会い、お互いの知っている人たちを繋げることで、何かステキなことを生み出していきたいと、様々なプロジェクトを一緒に手掛けてきました。
 
川島蓉子(以下、川島): 合わせて何かが生まれたら楽しい、ということで。
 
林: そうですね。みらいファッションラボでの登壇をきっかけに、孫泰蔵さんが川島さんのトークイベント「川島蓉子と社長の未来のおしゃべり会」に登壇してくれたこともありました。
 
ファッションとテクノロジーを組み合わせて、新しい時代の衣服を作ったり、ショップでの体験を変えるモノが、次々と出てきています。でも、これがテクノロジー業界主導で進むと、あまりステキじゃないモノになってしまいそうだな、という懸念もあって。
 
ファッション×テクノロジーを、もっとステキにできるイベントはできないのか、と川島さんと話していくうちに、「やはり、ファッションの三越伊勢丹だろう」と、当時、特命担当部長を務めていた北川竜也さんにお声掛けをしました。

昨年からは、資生堂もコアメンバーに加わり、ファッション、ライフスタイル、そしてビューティーという視点から考える、<みらいファッションラボ>で活動を進めています。
 
永井美保子(以下、永井): 昨年の秋よりラボメンバーに加わりました、資生堂 コーポレートコミュニケーション本部長の永井美保子です。
 
毎回そうなんですけれど、すごくいろんな範囲に話題が飛ぶんですよね。1回目のイベントに、ミスルトウの孫泰蔵さんがいらした際には、ご自身がスタートアップに投資をされているということもあり、様々なアイデアを出してくださいました。
 
例えば、IT系のベンチャーをバックアップするベンチャーキャピタルのように、資本が足りないデザイナーを支援するためのファッションキャピタルという新しい概念。ファッションの領域でも、ステキなことをよりカタチにしていくためにはどうしたらいいか、というお話でしたね。
 
林: 1回目のイベントでは、孫さんと、THEATER PRODUCTSの金森さんがいらしてくださいました。それまで、僕は「テクノロジー業界の流れは速い」と、ずっと思っていたんです。
 
でも、お二人と話していく内に、ファッション業界の方がずっと切り替わりが早く、その度にゼロからやり直しているので、あまり積み重なっていく様子が無いんだと感じるように。
 
そう考えると、テクノロジー業界の方が、1つの開発に何年も時間を掛けてじっくり取り組んだ上で、商品やサービスを世界に広げようとしている。速いと思っていたテクノロジー業界の方が、実はずっと時間を掛けて開発していたんです。
そこで、ファッションキャピタルができれば、ファッション業界もゆっくりと時間を掛けることができるんじゃないか、という話になりました。
 
川島: 北川さんは、どんなことが印象に残っていますか?
 
北川竜也(以下、北川): 三越伊勢丹ホールディングスのIT戦略/デジタル化推進担当長という立場でありながらこういうことを言うのもなんですが、テクノロジーの押し付けがましさを感じていました。
 
第2回のゲストスピーカー、UX/UIデザイナーの深津貴之さんも、スマートフォンを出して、アプリを起動して、位置情報を入力して…と、いくつものステップを踏むことが、理にかなっていないと言ってくれて。
 
テクノロジーのためにIT戦略があるのではなく、人の喜びや幸せのためにテクノロジーがある、ということを再認識させてくれたのが、2回目のイベント。そして、それをまさに地でやっているのが、もう一人のゲストスピーカーである、ファクトリエの山田敏夫さんでした。
 
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林: 先日(5月17日)開催した3回目のイベントは、みらいファッションラボにとってのターニングポイント。これまではゲストスピーカーの方をお招きしていたのですが、三越伊勢丹ホールディングス、資生堂、未来研の3社から、プレゼンテーションすることを考え、「CES、SXSW、ミラノサローネで見た 2017年デジタルライフスタイルの最前線」と題したイベントを開催しました。
 
みなさん、この3つのイベントはご存知ですか?
CES(Consumer Electronics Show)は、毎年1月にアメリカ・ラスベガスで開催される、約17.5万人が集う世界最大のコンシューマ・エレクトロニクスイベント。サウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)は、テキサスで開催される、テクノロジー・音楽・映画の祭典。そして、川島さんも訪れた、世界最大のデザインイベント、ミラノサローネ。
これらを、我々みらいファッションラボ目線で紹介し、実際にイベントに出展された方々には、プロダクトをお持ち頂き、出展者目線でのお話も伺いました。
 
永井: 資生堂からは、SXSWに出展した「TeleBeauty(テレビューティー)」をお持ちしました。これは、オンライン会議などで相手側に表示される顔に、デジタル処理でメイクや顔色補正を行うモノ。
 
例えば、テレワークをする際に、素顔のままでも肌色を良くしたり、お化粧をしているように見えます。次世代型ビューティーの進化の一つのカタチですが、ベータ版なので実用化はまだされていません。
 
川島: 女性だけではなく、男性も使うことができるんですよね?
 
永井: もちろん。肌色を補正することで生き生きとした印象になるので、自信を持ってビジネスのお話もできる、ということも期待できるんじゃないかと思います。
でも、表情の動きに合わせてメイクを動かすことが、なかなか難しくて。結構、高度なテクノロジーが必要とされるモノなのですが、弊社ではこのような研究開発も行っています。
 
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林: 3回目のイベントには、ミラノサローネでステキな展示をされていた、Panasonicの方にもお越し頂きました。
 
川島: 私も、これまでのミラノサローネで、Panasonicの出展をずっと追っていたのですが、正直に言うと、今まではあまり良くなかったんです。でも、今年は素晴らしかった。日本の伝統工芸職人と、Panasonicのデザイナーが組み、単に技術のための技術ではなく、心を動かすモノを作っていたんです。
 
中でも、面白かったのが、開化堂の茶筒をスピーカーにした、「響筒 kyo-zutsu」。蓋を開け閉めすると、動きと共に音が出るスピーカーなのですが、これを手に取って音を聴いたとき、「一体、何が先端テクノロジーなのかは分からないけれど、面白いし、ワクワクする。そして、心に伝わる。」と感じ入りました。
 
林: 3回目のイベントで、モノに触れられる面白さを実感したので、今後のイベントでは、テクノロジーに触れられる機会を設けていこうと思っています。テクノロジーとファッション、ビューティーの接点を模索していきます。
 
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永井: ファッションやビューティーは感性に訴えるモノなので、テクノロジーとは一線を画していて、なかなか融合しにくい部分もあります。でも今は、新しい風を取り入れて、新しい価値を作っていく時代なので、いろいろ混ざり合っていきたいと思います。
 
北川: 私は、このプロジェクトは川島さんに褒められたくてやっているんじゃないかな、と最近思っています。川島さんに、「あのサービスや、あのテクノロジーを使った仕掛けは素敵だよ」と言ってもらえたら嬉しいなって。
異なる感性が交わることで、面白いことができる。だからこそ、「みらいファッションラボ」という場を作ったので、引き続き追い求めていきたいと思います。
 
川島: このように、素敵なメンバーと楽しい活動をしていますので、未来研ウェブに掲載しているレポートも、ぜひご覧ください。ありがとうございました。
 
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>>未来研4周年イベント「おしゃべり感謝会」レポートは、こちらから。

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