未来を試す

【うろうろアリでいこう!】Story 3 「うろうろアリ」と経営学

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かつてアルベルト・アインシュタインは、
「実り多き思考には“組み合わせ遊び”が
欠かせない」と言いました。
同じようにスティーブ・ジョブスは、
「創造力とはまさに物ごとを繋ぐことである」
という言葉を残しています。
イノベーションを起こすには、
異なる価値に気づき、組み合わせ、繋ぐことが
極めて重要な出発点になるというわけです。
 
さて、現在。
工業化を軸とした産業社会の成熟に伴い、
効率性や生産性を追い求めれば求めるほどに、
組織は専門化・複雑化してきています。
それらの境界を繋ぐ役割として、経営学では
「バウンダリースパナー」という存在の
重要性が、すでに1970年代から
述べられてきました。
 
さらに、組織が大きくなればなるほど、
生み出される新たな価値は
現状の延長線上のものにとどまりがちで、
自らの存在を否定しかねないような
革新的な発想や行動は
起こりにくくなります。
そうこうしているうちに、
全く異なる発想を持つ小さなプレーヤーが
業界の常識を破壊するイノベーションを起こし、
大組織は市場での競争優位を一気に失う・・・
著名な経営学者クリステンセンが
著書「イノベーションのジレンマ」で
言及していることですが、これは
第3次もしくは第4次産業革命とも言われる
今、まさに進行中の出来事なのです。
 
一方、情報化や技術革新の進展に伴い、
組織や大きな資本の力に寄らずとも、
特徴ある「個」が自由自在に結びつき、
価値創造をリードする時代になってきました。
 
つまり、競い合う相手は今や、
はなから組織の壁など存在しようもなく、
出自そのものがバウンダリースパナーである
相手になりつつあるということです。
その現状に対して大きな危機感を抱き、
イノベーションに果敢に取り組む組織も
もちろんあります。
 
僕は、業界内でも最も先進的と言われる
グローバル企業の本社イノベーションチーム
とともに、
ナイジェリアやバングラデシュで
新規事業・市場開拓のプロジェクトを
一緒に行ってきました。
ただ、その組織の中に入り込んで伴走しながらも、
なんとも言えない違和感を感じることが
ありました。
メンバーたちは非常に優秀です。
組織の壁を越えて「バウンダリースパナー」の
役目を果たそうとしていました。
 
しかし、メンバーたちに燃え上がるような
情熱を感じられないのです。
組織上の役割・機能を最大限に果たすことに
集中していて、そもそも成し遂げたいゴールに
向けた熱い思いが共有されていない。
もうひとつは、仕事と個人と、
あたかも違う人格が存在するかのような
乖離が見受けられるということです。
組織の中で果たすべき役割に特化していくと、
個性を出さずに機能の一部に徹することが、
効率よく生産性高く成果に結び付くと考えがち
なのかもしれません。
でもそれでは、人の気持ちを揺さぶるような
イノベーションは起こせません。
 
「うろうろアリ」は、
先に述べた「バウンダリースパナー」の要素を
持ちながらも、自身が強い個性と魅力を有し、
成し遂げたい志と情熱が明快であるという、
パーソナリティ上の特徴を併せ持つ存在である
と考えています。
そして何より大切なのは、
playful mind=遊び心。
 
ちょっと硬い話が続きますが、次回、心理学の
観点からもう少しだけおつきあいください。
うろうろアリ_vol.03
 
★「うろうろアリでいこう!」の連載記事は、こちらからご覧頂けます。
 

唐川 靖弘プロフィール
外資系コンサル、広告代理店戦略プランニングディレクターを経て、2012年から米国コーネル大学ジョンソン経営大学院 Center for Sustainable Global Enterprise マネージングディレクターとして、多国籍企業による新規ビジネス開発プロジェクト・新市場開拓プロジェクトをリード。
同時に、「うろうろアリ」を育成することをモットーとし、自身の会社EdgeBridge LLCを基点に、ifs未来研究所(伊藤忠ファッションシステム)の外部研究員、ファッション系広告代理店戦略顧問、大手企業人材育成プログラムディレクター、大学の客員講師としても活動。1975年広島県生まれ。
Cornell University MBA (経営学修士)。INSEAD Executive Master in Coaching and Consulting for Change(2019年修了予定)。
160610_唐川さん

©2017 Yasuhiro Karakawa/EdgeBridge

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