未来のおしゃべり会

【10月29日 おしゃべり会・第1回】東京糸井重里事務所 糸井重里さん×ifs未来研究所 川島蓉子

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川島蓉子と社長の未来のおしゃべり会
ゲスト:糸井重里さん(株式会社東京糸井重里事務所)
開催日:2015年10月29日(木)

ifs未来研究所の所長・川島蓉子が、「この人は絶対、面白そうだからお話を聞いてみたい!」と思う人を招いてトークをする「おしゃべり会」。

今回のゲストは、皆さんもご存知「ほぼ日刊イトイ新聞」(以下、ほぼ日)の糸井重里さん。

ほぼ日は、ウェブメディアの先駆け(今年で18年目!)としてさまざまな記事を配信するだけでなく、「ほぼ日手帳」や「やさしいタオル」等のヒット商品を生み出し、フードスタイリスト飯島奈美さんのレシピ本『LIFE』や谷川俊太郎さんと松本大洋さんの絵本『かないくん』など出版をおこなったり、「TOBICHI」というギャラリー兼ショップでイベントをおこなったり。ウェブ、プロダクト、本、イベントなどなど、まさにメディアの垣根のない活動をしています。

「クリエイティブ」って何でしょう、というのが本日のテーマ。ゆるやかでありながらピリッとした糸井さんの話に、所長はどこまで斬り込めるのでしょうか。
どうやら所長、糸井さんとの対談は初めてとあって、だいぶ緊張気味なよう。では、スタートです。

糸井重里さんプロフィール

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1948年群馬県生まれ。「ほぼ日刊イトイ新聞」主宰。1971年にコピーライターとしてデビュー。「不思議、大好き。」「おいしい生活。」などの広告で一躍有名に。また、作詞やエッセイ執筆、ゲーム制作など、幅広いジャンルでも活躍。1998年6月にウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」を立ち上げてからは、同サイトでの活動に全力を傾けている。
著書に『忘れてきた花束。』『ふたつめのボールのようなことば。』など。

★ ★ ★
川島蓉子(以下、川島): 未来研(究所)も3年目に入って、どなたをお招きするかと考えていて、最初に頭に浮かんだのが糸井重里さんでした。

でも絶対に受けてくださらないだろうと思っていて、ダメもとでお願いしたのです。
そんな思いで実現したのに、私の悪いクセで、数日前から緊張が止まらなくて。ドキドキしちゃうんですよ。

糸井重里(以下、糸井): おっかしいなあ。たおやめぶってますよね。

川島: 昨日、ドキドキしてますってメールをしたら、糸井さんから「嬉しい日になればいいじゃないですか」っていう返信をもらって安心しました。

なので、なんでも聞いてみたいと思います。では、いきなり。今日は、朝起きてから何をしていましたか?

糸井: 2、3頭の犬を散歩させて、経営しているパン屋をのぞいて……ってウソです。

しばらく寝不足で、免疫によくないから反省として「寝不足はよくない」って書いて寝たのが朝5時半。だから寝貯めをしてやるぞと思ったんですが、10時半くらいには起きちゃって。ぶどうジュースをつくってもらって飲んで、読みかけの本を読んで、ネット上でできる仕事をして。

出勤時間はでたらめなんです。予定があれば行くし、なければ行かない。今日は14時に約束があったので、事務所に行って。早く川島さんに会いたいなと思ってここに来ました。

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川島: 事務所には、行く日と行かない日があるんですね。

糸井: 基本的には行っています。

スケジュール管理は自分でやると危険なので、秘書から毎日メールで送ってもらいます。自分でやると、スケジュールをどんどん入れちゃうんですよ。だから、命令のままに動くっていう状況をつくっています。
でも、予定は全部自分で決めたこと。喜んでやるっていうこと以外はやりません。
先ほど川島さんは、引き受けてくれるかわからないっておっしゃいましたが、このトークを受けたのは、川島さんが興味を持っているものに興味があったからなんです。

過去の回のお話を聞いたら、「とらや」「伊勢丹」「エルメス」と。そこでなければできないよねっていうことをしている人たちに川島さんは興味を持たれている。

何でも普遍化できないものかと考えるのが今の時代。特殊な成功例があったときに、その成功例の中にきみでも出来る部分を探そう、それを探すのが学問みたいになってる。
でも、川島さんは「その人にしかできないんじゃないか」っていうところに食いついていく。それは僕が思っている感覚に近い。だから、存分に正直にお話し合えばいいかなと。

川島: マーケティングという世界に身を置きながらも、普遍化するとか、効率化するとか、合理化するとかっていうことに疑問があって。

そんな簡単にできないんじゃないかって思っていて。

どうも嘘臭い気がしているんですけど、糸井さんはどう思いますか?

糸井: 半分は普遍化出来る部分があると思っています。

僕は、ある時までは自分でやってきたことは人には伝えられないって思ってました。だからギャラが払われるし、そういうふうに思わせた方が得。それはフリーランスの戦略でもある。

「俺じゃなきゃできないって言わせることが俺の仕事」だと、企業の人にも思われていたし、自分もそう思い込んでいた。でも、最近はそうじゃなくて、半分は伝えられるなって思ったんです。

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川島: 何がきっかけで、そう思うようになったのですか?

糸井: 人としゃべってる時に、あ、こんなこと言ってるって気づいたんです。

いまはいろんなコミュニケーションの手段がありますけど、一番信じているのは、何人かの少人数で足を投げ出しながら「それはさー」ってしゃべってる時。それが、一番濃いし本当だと思ってる。仮説を山ほど立てますし、そこには責任がないんです。

それで、半分伝えられる相手がいて、半分は大丈夫だあいつはって言えるところがあったら、その人に任せられるところが増えるじゃないですか。
逆に100%僕に似ている人は、欠点も似ているし偶然性がなくなるからダメ。だから、半分は伝えられたっていうチームと一緒にやるのがものすごくいいんです。

川島: そうすると、「糸井先生じゃなきゃできない」っていうことではなくなるから、先生みたいな扱いじゃなくなる。要は、お金が入らなくなるのでは?
それでもコミュニケーションの楽しさの方がいいっていうことなんですね?

糸井: お金はね、なくても食えるっていうことを知ってるんですよ。
みんな食えなくなるって言うけど、それは押し入れに隠している札束の話。それがなくてもやっていけるんです。そこまで欲しいものがあるわけでもないしね。

でもね、欲しいものを思い浮かばない心になると嫌だと思う。本当に欲しいか欲しくないかっていうと、それは世の中に存在するだけで嬉しいっていうこともあるわけです。

欲望がなくなるのは嫌だし、欲望を全部自分のところに引きつけて欲望としてとらえるのも不自由な感じがする。

 

第2回▶▶ 面白いって何だろう? 糸井重里が考える「面白い」とは

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