未来のおしゃべり会

【3月24日 おしゃべり会・第1回】Mistletoe株式会社 孫泰蔵さん×川島蓉子

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未来のおしゃべり会 ―ビジネスには、カッコいい感性が必要だ。
●ゲスト:孫 泰蔵さん(Mistletoe株式会社 代表取締役社長兼CEO)
●テーマ:未来の働きかた~社長はいらなくなる!?
●開催日:2017年3月24日(金)

ifs未来研究所の所長・川島蓉子が、「この人は絶対、面白そうだからお話を聞いてみたい!」と思う人を招いてトークをする「おしゃべり会」。
今回のゲストは、Mistletoe株式会社の代表取締役社長兼CEOである孫泰蔵さん。先端テクノロジーの領域でいくつもの会社を立ち上げて新しい世界をつくってきた孫さんから出た言葉は、なんと「これからの会社に、社長はいらなくなる!?」というもの。その理由を、川島がたっぷり聞いてまいります。お話の中には、大きな転換点に立たされた私たちが考えるためのヒントがいくつもありました。

 

★ ★ ★
第1回:人工知能によって、淘汰される職種、残るスキル。
 

川島蓉子(以下、川島): ifs未来研究所 所長の川島蓉子です。孫さん、今日はよろしくお願いします。
先日、日経ビジネスオンラインの連載「「ダサい社長」が日本をつぶす!」で、孫さんのインタビューをしたときに、これから社長がいらなくなるという話をされていたんですが、今日はこのお話をもうすこし掘り下げてお伺いしてみたいと思います。何故、社長はいらなくなるんでしょうか?
 
孫泰蔵(以下、孫): Mistletoe株式会社 代表取締役社長兼CEOの孫泰蔵です。今の私は、Mistletoe株式会社で何をやっているかというと、日本を含めた様々な国で革新的な技術を作っている、新しい実業家のサポート支援をしています。出資することもありますが、共同で開発もしています。ただのベンチャーキャピタルではなく、技術開発を主にやっています。
 
今だと人工知能系がすごく多い。皆さんの想像を遥かに超えるスピードで人工知能が発達しています。それが本当にヤバいなと思っていて、人間の仕事が急激に無くなっていくかもしれない、と不安になってしまうくらい。
 
川島: 孫さんでも不安になるくらいの速さなんですね。人工知能の進み具合は。
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孫: そうなんです。2030年くらいには、どんな街の中でも絶対にぶつかったりしない完璧な自動運転の車が走る社会が実現化しているかもしれない。というのも、あと3年、2020年くらいには、自動運転の車が実用化されるというプランが現実的だからです。
 
先日、Stanford Research Instituteという、29歳のスタンフォード大学の研究所出身者によるスタートアップを訪問したのですが、スマホを渡されてポチッと押すと、画面の地図上の道路で点が動いていて。だんだん僕のところに近づいてくるんです。パッと前を見たら、無人の車が僕の前に来て、ドアが開いた。中には、ハンドルもアクセルもブレーキも何もなくて。どうぞ、と言われて。
 
川島: 恐る恐る乗ってみた。
 
孫: はい。またプロトタイプで1人しか乗れないとのことで、1人で乗りました。何キロぐらい出るんですか、と聞いたら、普通に100キロくらい出ますと。
そして、スタンフォード大学の敷地の中を走って行くんですけど、まるで未来のSFでした。走っていたら、バッと人が飛び出してきて。もちろん仕込みだったんですが、そうしたら、車がピタッと止まる。
 
川島: 怖かったですか?
 
孫: 最初は怖かったんですけど、途中から運転があまりにも安定しているので、人間が運転するよりいいと思ってしまいましたね。大体5分くらい乗っていましたが、非常にスムーズで驚きました。
 
今の話がどれくらいすごいかというと、そのStanford Research Instituteの社長に映画の『マトリックス』を観たか?と聞かれたんですね。もちろん観たと答えると、彼らはあれを作っているんだと言うんです。
 
シリコンバレーのある街やそこに暮らす人々、気候までもが、全部コンピュータシミュレーション上に作ってあって、その中を、開発中の車が一日30万回走る。最初は、人やビルにぶつかったり、池に落ちたりするんですが、毎日30万回走り続けていたら、人が運転しなくてもぶつからない完全な自動運転が可能になっていく。そのシミュレーターをみたときに、ー本当にヤバいなこりゃ、と思ったんです。
 
先日、「アルファ碁」が話題になりましたが、現在は人工知能の発達によって、多彩なアルゴリズムが開発されつつある。そうすると、例えば、収入な職業と言われる、弁護士、税理士、公認会計士等の方たちの仕事の一部は、一瞬で無くなってしまうのではないかと思いました。
 
川島: 一瞬で無くなっちゃう! それはすごい話ですが、どうしてですか?
 
孫: 判例を参照したり、六法全集から何が今回のケースに適合していて、そういう事例がありましたというような確認の仕事であれば、人間は人工知能に敵わない。
じゃあ、弁護士の仕事は無くなるのかというとそんなことはなくて、リーガル・アーキテクトと言われるような、法律そのものをどう作るかという仕事に変化すると考えています。これは、クリエイティブワークなので、人工知能にはできません。
また、今の話でいくと、社長の仕事は、弁護士よりももっとシンプルですから、必要なくなると思います。
 
川島: では、社長の仕事とは何なのか、教えてください。
 
孫: 社長の仕事とは言っても色々ありますが、個人的には、上場企業の社長が一番先にいなくなると、思っています。
何故かと言うと、上場企業の社長の平常の仕事は、各部署から上がってきた稟議を承認することなんです。何をチェックしているかというと、法令遵守しているのかとか、みんなのコンセンサスをとっているのかとか、それくらいです。
 
しかも、上場企業の場合は、優秀な中間管理職がたくさんいるので、上がってきた書類は完璧に仕上がっていますし、何よりも、現場のことは、現場の人の方がよく知っています。
なので、そういう仕事だったら過去のケースをビックデータ解析して、間違った判断をする可能性を限りなく減らせる、人工知能の方が人間よりも得意なはずです。
 
川島: なるほどね。たくさんハンコを捺すようなプロセスは必要なくなるっていうことですね。じゃあ、社長は何をする人になっていくのでしょうか。
 
孫: 本来の意味は、最高意思決定をする人ということだと思うんですが、社長の仕事はそれだけではありません。例えば、営業活動の新規開拓をするトップセールス、新規事業、業務改革等も挙げられます。
でも、組織には業務の長がいますから、社長の仕事とイコールではないと思うんです。そう考えると、それぞれの役割のトップの人間は必要だと思いますが、社長は必要ない。
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川島: なるほど。孫さんもいずれはそういう風にしていこうと思っているんですか。
 
孫: 僕は、代表取締役社長にはついていますが、いわゆる一般的な社長とはちょっと違うかもしれませんね。Mistletoeでは、すべての意思決定──お金とか工期とか、人・モノ・カネを動かすところも含めて、その案件をやりたいと手を挙げた担当者がやれるようにしているつもりです。
 
川島: 孫さんは、社長の仕事はされていないと。すべての意思決定は、担当する人が行うそうですが、かなりの責任がその人に負荷されるんですね。
 
孫: 責任を取るということには、いろんな定義があると思っています。例えば、引責辞任と言いますが、それって本当に責任をとったことになるんだろうかと僕は思っています。
だから、そのプロジェクトが失敗した時に、担当者の異動や担当替え、ましては引責辞任させるなんていうことは、僕は考えていません。
 
  
第2回 人工知能に淘汰されない、クリエイティブな仕事とは?

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