未来のおしゃべり会

【3月24日 おしゃべり会・第2回】人工知能に淘汰されない、クリエイティブな仕事とは?

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未来のおしゃべり会 ―ビジネスには、カッコいい感性が必要だ。
●ゲスト:孫 泰蔵さん(Mistletoe株式会社 代表取締役社長兼CEO)
●テーマ:未来の働きかた~社長はいらなくなる!?
●開催日:2017年3月24日(金)

 
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第2回:人工知能に淘汰されない、クリエイティブな仕事とは?
 
川島: AI(人工知能)がすごく発達して、クリエイティブではない仕事は無くなっていく、これから人間がやっていく仕事は何らかクリエイティブである必要があるということですよね。孫さんは、クリエイティブを敢えて言葉にしてみると、何だと思いますか?
 
孫: 何か新しいものや新しい価値を生み出す。しかも今までにやられていないやり方で、自分なりの方向でというところだと、私は思います。
 
川島: 企業にいると、よく「クリエイティブであれ」とか、「人がやっていないことをやってみろ」とか言われるんですけど、そう言われても、なかなか挑戦しづらいような気がするのですが。
 
孫: おっしゃる通りです。「失敗したらボーナス2倍」って言われたら、誰もが喜んでチャレンジしますよね。でも、そんなことはないのが現実です。これは絵に描いた餅だと思っていまして、私たちの会社では、倍とは言いませんが、失敗するくらいのチャレンジをすると評価が上がるような仕組みにしたいと思っています。
 
川島: 大胆な変更ですね。
 
孫: さらに、改革としては就業規則や規定を全面的にやり直しまして、「Working Anywhere」というテーマに基づいた働き方を取り入れています。在宅勤務、リモート勤務という概念どころではなく、基本的に出勤しなくていい。
 
川島: 沖縄とかに行ってもいいんですか?
 
孫: 出張旅費規定内であれば、問題ありません。
 
川島: オフィスはどうなっているんですか? 格好良いオフィスでしたよね。
この前取材させて頂いたときに伺ったのですが、ミスルトウのオフィスの内装は、工事現場の足場を組み合せて作ったもので、引っ越しのときにはそのまま持っていけると。
 
孫: そうなんです。けれど、働き方を変えようとしている中で、もっとちゃんとオフィスの有り方を考えないといけないと感じています。みんな、とりあえずってオフィスに来ちゃうんです。
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ワークスペースから、ミートアップスペースへ。
 
孫: ワークスペースを「ミートアップスペース」に変えたいと思っています。私たちは、VRの技術も研究開発や投資など一緒にやっていますが、世に出ていないVRの技術が、まだまだあります。
 
そういう技術を使えば、バーチャルな場でミーティングも出来きます。でも、やっぱり集まった方が良いという意見もある。社内でいろいろ議論した中で、集まる必然性というのがひとつだけ見つかったんです。
 
川島: リアルに人と人が会う必然性とは?
 
孫: それは、まさにワークスペースではなく、ミートアップスペースであるべきということ。新しいクリエイティブなアイデアは、会議室じゃないところで生まれます。例えば喫煙所で雑談をしている時や、ご飯食べたり、飲みに行くような場で、こういうのやりたいんだけど、何か良いアイデアないかなとか、良い人いないかな、とか。
 
そういうセレンディピティが生まれるようなミートアップスペースに変えようと。でも、セレンディピティは、目的なく会っているときにしか生まれない。なので、そこを変えようと。労働基準法的にはフレックスタイム制なんですが、コアタイムを敢えて作って、それをランチタイムの11時~13時にしたいと考えています。
 
川島: 毎日、社員はここでランチを食べることが義務。面白いですね。
 
孫: 通常、会社のランチタイムは休憩時間という感覚だと思いますが、私どもの中では最も重要な時間に変える、オフをオンに変えるという発想です。どこにいてもいいけど、昼飯だけはここで食べようという風に変えたいと思っています。
その代わり、美味しくて、居心地が良い場所でないと来てくれないので、本当に良いものを用意しようと思っています。
 
川島: なぜ、ランチタイムをコアタイムにするのですか?
 
孫: 何故、こういう取り組みを始めたのかというと、最終的に一つの目標として、ゼロベースから新しい街をデザインしたいと思っているからなんです。ランチタイムがコアタイムというのは、そのアイデアのひとつ。
 
例えば、小学生の子どもが昼間学校に行き、父親が会社に行く。そうすると、週末くらいしかご飯を一緒に食べられないと思うんですが、僕は毎日一緒に食べた方がいいと思うんです。街全体に、ご飯を食べる場所がいくつもあって、近隣の人や子どもたちも来られる場所になる。
そうすると、平日の昼に親子が一緒に昼ご飯を食べられる、しかも仕事仲間と一緒に。すると、思わぬ自然なコミュニケーションが生まれるような気がするんです。
 
川島: 壮大なプロジェクトですが、とってもいいですね。
 
孫: そんな簡単にすぐに作れるものじゃないので、さまざまな国の方々と議論は始めています。僕らはテクノロジーを開発していますが、それだけだと摩擦が起こる。その摩擦を解消し、新しい価値を見出す、新しい生き方みたいなものが必要だと思っています。
 
人工知能やロボットの発展とともに、私たちの働き方、暮らし方、食べ方とかいろんなものをアップデートしないといけないなと思っています。それを説教臭く言うのではく、自然にみんながそうなっちゃう、結果的に変わっちゃったとなる環境デザインをしたいなと。
 
川島: 環境が整ってくると、そもそも創造的に動けるものなんですね。今の企業の有り方も、環境も含め変わっていくと思われますか?
 
孫: はい。もっと言えば、教育が今のままじゃいけないと思っています。なぜなら、今の教育は知識の伝授が主になっている気がするからです。知識の伝授を一方的に教師がやるというのは、AIやロボットの時代は必要なくなると考えています。
 
自分で興味関心があって、探求して身に付けていけば知識は生きると思うんですが、突然、上から与えられても全然入ってこない。教えるということをやめるべきだと思う。
 
川島: では、どんな環境で人は学びたいと思うのでしょうか。自分は何をしたいのか分かっているのかどうかもありますよね。
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孫: そこは、現在トライアンドエラーをしている真っ最中です。まだオープンしたばかり(2017年3月2日オープン)なのですが、VIVITAスタートアップクラブという、新たなまなびの場を提供する事業を柏の葉T-SITEで始めました。
 
もちろん僕らは教師でも何でもないので、教えるようなことは一切しません。作りたいものを聞いて、それを彼らが作り始めるんですが、実はここにいる大人は、元ソニーやマイクロソフトなどの企業で、ソフトウェア、ハードウェアを作っていた人たちをはじめとした、様々な分野の人が集まっています。子どもたちの発想に対して、アドバイスをして、本気で子どもに作ってもらいます。
 
プロトタイプを何回も何回も重ねて、本当にいいものができあがったら商品化まで持っていく。販売して売り上げがたったら親にロイヤリティーを払う。そんなことまで構想しています。
 
川島: そこにはカリキュラムは存在しない?
 
孫: はい、一切存在しません。でも、やりたいことが見つかったときには、本気でプロの大人たちも一緒になって作ります。
 
川島: それは贅沢な環境ですよね。豊かな環境ですよね。
 
孫: それによって、なるべく早く、ちょっとでも良いから自分が作ったものが世界を変えたかもしれないという実感を味わってもらいたいんですね。「え、これを君が作ったの?すごいね!」って。
 
川島: そういうときに、できる子はいいですが、なかなかアイデアが出なくてできない子はどうするんですか?
 
孫: 一人でやるのは禁止していまして、プロジェクトチームを作ってやります。コラボレーションスキルというのは、これから重要になるスキルだと思いますので。4つのCという、21世紀スキルをご存知ですか? これは、Creativity/Critical Thinking/Communication/Collaborationを指します。一人で作れるものや考えられることはたかが知れているから、みんなで作っていこうという考えです。
  
第3回 失敗を恐れない心は、40歳を超えたときに芽生えた。に続く

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